[名作1クール レビュー] 涼宮ハルヒの憂鬱(第1期) 第1話 朝比奈ミクルの冒険 Episode00
各話レビューリスト
※本記事は2022年9月16日時点での視聴をもとにした記事です。
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第1話 朝比奈ミクルの冒険 Episode00
第1話の長さは24分16秒(1456秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
朝比奈ミクルの冒険 Episode00
一樹を狙う有希の登場。初対決では必殺技のみくるビームは有希には通用しなかった。しかし有希の襲撃を間一髪のタイミングで阻止したみくるであった。
しかし続く対決では有希が勝利した。傷ついたみくるをかかえ自宅へ運ぶ一樹。そこへ現れた有希は一樹と意味有りげな会話をし、去ってゆくのだった。
急に学園ラブコメに舵を切るストーリー。最終バトルはそれなりに白熱する。最終的にみくるを選んだ一樹の超能力で、有希はどこかへ吹き飛ばされた。一件落着。エンディングを眺めるSOS団のメンバー。そう、これはSOS団の団長・涼宮ハルヒの仕業だったのだ!
第1話の見どころ
- 素人くさいフィルムの魅力
- 散りばめられた本編の伏線
- 萌えやステレオタイプなオタク文化のパロディ化
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (90秒 + 215秒)
0-1:30
OP:「恋のみくる伝説」朝比奈みくる 90秒
恋のミクル伝説
1:30-2:04
未来人・朝比奈みくる 34秒
2:04-2:30
バニーは客寄せのバイト 26秒
2:30-2:55
棒読み注意 25秒!
2:55-3:55
素人の編集 60秒
3:55-4:35
超能力者・古泉一樹 40秒
4:35-5:05
帰宅 30秒
主人公のみくると小泉の紹介と、この物語が素人のフィルムであること示唆するパート。
承 (295秒)
5:05-5:38
みくる就寝 33秒
5:38-6:15
宇宙人・長門有希 37秒
6:15-6:30
素人的メタ発言 15秒
6:30-7:00
激闘シーン 30秒
7:00-7:25
みくるビーム!! 25秒
7:25-7:55
大森電気店のCM 30秒
7:55-8:30
みくるビーム敗れる 35秒
8:30-9:00
シャミセンがカワイイ 30秒
9:00-9:40
間一髪 40秒
9:40-10:00
見送る一樹 20秒
一樹を守るみくると、それに対立する有希の構図を見せるパート。
転 (325秒)
10:00-10:15
急な場面転換 15秒
10:15-10:55
素人くさいカメラ 40秒
10:55-12:00
役者とスタッフを兼任 65秒
12:00-12:40
みくるは一樹に助けられた 40秒
12:40-13:00
古泉邸へ 20秒
13:00-13:50
力の有効性 50秒
13:50-15:25
メタ的な伏線のやりとり 95秒
ミクルが有希に敗北。一樹と有希が”物語”の核心に触れるパート。
結 (466秒 + 65秒)
15:25-16:20
ヤマツチモデルショップのCM 55秒
16:20-17:00
テコ入れと急展開 40秒
17:00-17:37
ラブコメ展開 37秒
17:37-18:30
バトルもあります 53秒
18:30-19:10
最終決戦へ 40秒
19:10-20:00
緊迫するストーリー 50秒
20:00-21:00
激しい戦い 60秒
21:00-22:00
地球の平和は守られた 60秒
22:00-22:40
エンディング 40秒
22:40-23:11
主人公登場 31秒
23:11-24:16
ED:「ハレ晴レユカイ」平野 綾、茅原実里、後藤邑子 65秒
ハレ晴レユカイ
急展開でフィルムは終了。真の主人公・ハルヒが登場するパート。
シーンリプレイ
0-1:30
OP:「恋のみくる伝説」朝比奈みくる 90秒
当時の”萌え”に対する偏見を具現化したようなOP。それを茶化したところが新しかった。
13:50-15:25
メタ的な伏線のやりとり 95秒
本編の秘密に触れる大胆な会話。オチを知っているオタクがニヤリとするであろうシーン。
22:40-23:11
主人公登場 31秒
やっぱり彼女がいなけりゃ締まらない。華があるとはこのことだ。
感想
第1話とは思えない映像から漂う”分かってるでしょ?”という感じ。分かっているオタク向けに、世間(当時の)から持たれていたオタクに対するステレオタイプを茶化してみせた。と、私は受け取った。
放映当時に観てはみたものの、意味が分からず途中でチャンネルを変えてしまった。いま見返してみると、伏線だらけネタだらけでなかなか面白い。主要人物と周囲のキャラクター紹介、物語の核心を突く会話。第1話にして全てを開示していると言っても過言ではない大胆さもある。
原作の第1話にあたるエピソードはアニメ初回放映では第2話から始まるので、原作をいちど分解してから全14話に構成しなおしたということになる。2009年には原作通りに構成して放映しているが、ハルヒと言えばこの第1期がイメージされると思うので、エピソードを分解したのは成功だったと言ってもいいのではないだろうか。
当時はポップでスマートな作画だと思っていたのだが、さすがに2022年に観ると古臭く見える。ただ声はやっぱり「これしかない」と思えるほど、どの声優もキャラクターにハマっている。そしてみんな若くて上手い。
素人が作ったフィルムにありがちな編集やちぐはぐな展開を再現しつつ、きちんと起承転結でまとめ上げる実力。当時はまだまだパロディとして扱うにはあまりにセンシティブであったオタク・萌えネタを見栄え良くみせるセンス。受けるかどうかも分からないエピソードを第1話として配置するチャレンジ精神。
若さとセンスとエネルギーが生み出したチャレンジは、アニメを変え、オタクを変え、文化を変えた。それはやがてネット配信というツールを得て爆発しムーブメントを起こす。その片鱗はこの第1話からも感じ取れるはずだ。
それにしても最後に登場するハルヒのパワフルさと華やかさは色あせない。間違いなく彼女は時代を創り変える女神だったのだ。
その内に超能力を秘めた少年・古泉一樹。それを見守る未来から来た”戦うウェイトレス”朝比奈みくる。それはさておき、とりあえず彼女は商店街の客寄せバイトをしながら小泉を見守っていた。